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旨味の秘密!いまさら聞けないだしの引き方。

自遊人編集部
〜 『自遊人』特集「『和食』の基礎知識。」より転載〜

2019.1.30

Index

旨みをグッと凝縮した、昆布。

ところ変われば味も変わります。産地はもちろんのこと穫れる浜が違うだけで、昆布には異なる持ち味が生まれます。

豊かな香りが食欲をそそる、鰹節。

「鰹節」「削り節」といっても、鰹、宗田節、鮪、鯖……。 実はこんなに種類があります。使い分けると味に深みがでます。

水に旨みと香りだけを抽出した日本独自の調理法、だし。

だしとひとくちに言っても、その素材はさまざま。
最も代表的な昆布と削り節も、それぞれに種類があります。
料理の美味しさを左右するものだからこそ、
目利きのコツを覚えておきましょう。

旨みをグッと凝縮した、昆布。

国内生産量の95%を占めるのが北海道産の昆布。

どこの浜で育ったかで品質が決まり、産地の海岸は特上浜、上浜、中浜、波浜など、浜そのものを格付け。
浜の場所や地形、海流、水温、日当り、流れ込む河川の条件などが昆布の生育にそのまま影響します。
どの昆布が一番とは単純には言えないため、それぞれの個性を把握して、自分の料理に最適な昆布を選ぶのがよいでしょう。
ちなみに、天然ものと養殖では見た目にはわかりづらいですが、だしを引くとまったく異なります。

ところ変われば味も変わります。産地はもちろんのこと穫れる浜が違うだけで、昆布には異なる持ち味が生まれます。

・利尻昆布
利尻島や礼文島の「島もの」が最高品質とされますが、北海道日本海側の苫前(とままえ)、抜海(ばっかい)、稚内(わっかない) から、オホーツク海側の紋別(もんべつ)、 知床半島の北部に至る広範囲が産地に含まれます。
濁りやクセのない上品なだしが取れるため、高級料理店での需要が多く、いまや天然ものは稀少です。

・山出昆布(真昆布)
高級昆布の代表格。松前町にある白神(しらかみ)岬から函館を経て室蘭に至る海岸で採れ、高級昆布が採れる「白口浜」「黒口浜」「本場折浜」などが連なります。別格は尾札部(おさつべ)浜産で朝廷や将軍家に献上された最上級品として知られます。
利尻同様、収穫量は年々落ち、天然ものはかなりの貴重品。

・日高昆布(三石昆布)
襟裳(えりも)岬付近から室蘭(むろらん)にかけての海岸線で採れる昆布の名称。
関東地方で好まれる昆布で、繊維が柔らかく、煮上がりが早いのが特徴です。昆布巻きや煮物、おでん種などにして、昆布そのものを食べるのに向いています。
産地の中心地域は新ひだか町でしたが、かつては三石郡三石町があったため三石昆布とも呼ばれます。最上級品は浦河町の井寒台(いかんたい)で採れたもの。

・羅臼昆布
知床(しれとこ)半島、羅臼付近の狭い地域で採れる昆布。 通常、昆布は緑色を帯びた黒色のも のが良いとされますが、羅臼に限っては赤みを帯びたものが良品といわれています。
こくのあるだしがとれ、利尻昆布と人気を二分しています。

豊かな香りが食欲をそそる、鰹節。

鰹節は、生の魚をおろして中骨をとり、似てからいぶして乾燥させたものを「荒節」、 荒節からタールをとりカビ付けしたものを「枯節」、手のかかるカビ付けを4回以上繰り返したものを「本枯節」 といいます。
荒節はすっきりしただし、枯節は旨みの多い上品なだしが引けるので、高級料亭などでも多く使われています。
旨味の秘密!いまさら聞けないだしの引き方。

「鰹節」「削り節」といっても、鰹、宗田節、鮪、鯖……。 実はこんなに種類があります。使い分けると味に深みがでます。

◇鰹
・荒節
煮たカツオを燻して乾燥させた段階。タールが付着して黒い色。これを除去したものが「裸節」、裸節にカビ付けをして「枯節(カレブシ)」となります

・荒節削り(血合い抜き)
カビ付けされる前なので、まだ鰹の強い香りがします。色も「花鰹」と呼ぶに相応しい赤みの勝った褐色。通常、市販されている「削り節」の多くは、この荒節を原料に製造されます。

・荒節削り(血合い入り)
血合いが入っているので、コクのあるだしがとれます。カビ付けの技術が未発達の時代は、この荒節を食していました。枯節に比べると鰹の強い味がして、食べて美味しい鰹節の代表格。

◇鮪
・荒節、枯節
脂肪分の少ない赤身のキハダマグロの幼魚を原料にして作りますが、製造本数は極めて少なく、特に枯節は希少です。鮪節を関東では別名「めじ節」、 関西では「しび節」ともいいます。

・荒節削り
淡白でクセのない味に甘みが加わるのが特徴。荒節なので削りやすく、細い糸状に切って料理の上に乗せる「糸がつお」としても使われます。枯節に比べ、香りの強いだしがとれます。

・枯節削り
鰹節にはない甘みのあるだしがとれ、色も淡く、香りも上品なので高級料亭などで使われます。ただし価格は非常に高く、専門店でも特注品扱い。 鰹節とブレンドして使うと、個性が生きます。

◇宗田鰹
・荒節、枯節
高知県土佐清水市ほか西日本で生産されています。 マルソウダガツオやヒラソウダガツオが原料。 「めじか節」ともいい、1月〜3月に水揚げされる寒めじかで作った節は人気の高さを誇ります。

・荒節削り
味が濃厚で、琥珀色のだしがとれるのが特徴。そのため、うどんや蕎麦のだし用としてはうってつ け。鯖節や鰹節とブレンドして、バランスの良いだしに仕上げるのが宗田節を使うコツ。

◇鯖
・荒節、枯節
サバの中では比較的脂肪分が少ないゴマサバが原料。近海のサバは、生食するには美味しいが節を作るのには向きません。カビ付けをした鯖の枯節 は、関東で人気があります。

・荒節削り
鯖節からとっただしは、香りがあっさりしている 割に味が濃厚で、宗田節など、比較的個性の強い節と組み合わせて使われます。醤油や味噌と良くあうため、かけ蕎麦用のだしなどに利用されます。
旨味の秘密!いまさら聞けないだしの引き方。

水に旨みと香りだけを抽出した日本独自の調理法、だし。

料理の味わいの要となる「だし」は、水に旨みと香りだけを抽出した日本独自の調理法です。
料理に合わせてだしを変えるだけで、美味しさは格段にアップ。

主として吸い物など、椀ものに使われるのが一番だし。
クセ のない旨みだけを抽出した贅沢なだしです。

それに対し、昆布の旨みや鰹節の香りをしっかりと煮だしたのが二番だし。
煮付けや雑炊、おひたし、炊き込みご飯、和え物などさまざまな料理に使われます。

「一番だしの場合、水に昆布を入れて夏は1時間、冬は2時間ほどおきます。70度以上に熱すると、粘りやアク(雑味)が出てしまうので低温抽出がベス ト。旨みが出たら昆布を引き上げ、だしを火にかけます。30秒間沸騰させて水の中の酸素を飛ばすと、後から入れる食材の酸化による味の変化が防げます」

(雑誌「自遊人」2014年5月号に掲載)
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