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インフルエンザ予防や花粉症対策に欧米で人気のハーブ「エキナセア」

自遊人編集部

2017.09.21

Index

エキナセアとは?

風邪予防の定番ハーブは免疫力への効果も実証

イギリスの大学の最新研究で風邪に対する効果を実証。

抗ウイルス効果がある上に副作用の少なさも判明。

エキナセアとは?

北米原産のキク科の植物で、現在はヨーロッパでも広く栽培されています。

北米の先住民族が毒蛇に噛まれた時の解毒や、風邪、腫瘍、天然痘などの治療に使っていました。中心部から下がる花びらの様子が馬簾(江戸時代の火消しが使う纏に付いた飾り)に似ていることから、日本では馬簾菊と呼ばれています。

風邪予防の定番ハーブは免疫力への効果も実証

 北米のインディオが、毒蛇であるガラガラヘビに噛まれた際の解毒治療や、炎症、風邪、天然痘、悪性腫瘍など、さまざなな症状に万能ハーブとして使っていた「エキナセア」。
ドイツの医師がそれを持ち帰って研究したことからヨーロッパでも有名になり、現在も様々な研究が行われています。

 エキナセアには、白血球のひとつであるマクロファージを刺激し、インターフェロンなどウイルスに対抗する物質を活性化させる効果があることがわかっています。
特にメディカルハーブとして医療へのハーブ利用が盛んなドイツでは、「エキナセアには免疫活性効果があり、慢性的な炎症の治療に有効である」と認められ、サプリなどにもこの効用が明記されているほどです。

 最近ではイギリスのカーディフ大学で、エキナセアの抽出物を摂取した人と、成分が入っていないプラセボを摂取した人の間で、呼吸器などへの症状の有無を調べる実験が行われ、明かな差があるという結果が発表されました(下のコラム参照)。

 原産国のアメリカでもその効能は広く知られ、現在ではサプリメントとしても非常に人気があります。
アメリカのマーケティングリサーチ会社が調べた、ハーブ類サプリメントの2010年売上ランキング。エキナセアは6位に入っています。ほかにもアメリカのサプリメント売上の1割を占めるという業界紙の調査結果もあります。

風邪などの上気道感染やインフルエンザの治療や予防に多く使われ、「風邪の引き始めにはエキナセア」というのは、常識になっているほど。

さらに細菌やウイルスなどに直接作用する、抗菌、抗ウイルス効果もあると言われます。

 免疫力向上が期待できるため、冬の風邪対策にはもちろん、花粉症などアレルギーに悩む人にも愛飲されています。また近年では悪性腫瘍に対する効果の研究も進められ、今後、ますます注目されそうなハーブです。



アメリカでのハーブ類サプリメント2010年売上ランキング

ハーブ[学名]
売上額
1位 クランベリー [Vaccinium macrocarpon] $35,806,000
2位 ソーパルメット(ノコギリヤシ)
[Serenoa repens]
$18,839,780
3位 大豆 [Glycine max] $16,984,640
4位 ガーリック [Allium sativum] $16,976,220
5位 イチョウ [Ginkgo biloba] $15,017,010
6位 エキナセア [Echinacea spp.] $12,822,940
7位 マリアアザミ [Silybum marianum] $11,266,790
8位 ブラックコホッシュルート
[Actaea racemosa]
$9,303,047
9位 セントジョンズワート
[Hypericum perforatum]
$8,871,864
10位 朝鮮人参[Panax ginseng] $7,283,017
※アメリカのマーケットリサーチ会社SymphonyIRI Group社の調査より抜粋。

イギリスの大学の最新研究で風邪に対する効果を実証。

 エキナセアの研究は近年も盛んで、英国カーディフ大学は4ヵ月間に渡る長期実験を行い、2012年にその結果を発表しました。

風邪やウイルスに対する効果を計るため、エキナセアの抽出物を摂取した人と、プラセボ(偽薬)を摂取した人のグループで効果を比較したところ、

①エキナセアグループ(325人):風邪の症状合計149件/症状が続いた日数合計672日、
②プラセボグループ(348人):風邪の症状合計188件/症状が続いた日数合計850日
と大きな差がでました。

また、エキナセア摂取者で症状の緩和に鎮痛剤を必要としたケースは、プラセボ摂取者より30%以上も少なかったと報告されています。
インフルエンザ予防や花粉症対策に欧米で人気のハーブ「エキナセア」

抗ウイルス効果がある上に副作用の少なさも判明。

 さらに詳細な検査を行うため、協力者の中から鼻粘液のサンプルを集め、ウイルスの分析が行われました。下のグラフはその検出結果をまとめたもの。

プラセボを摂取した115人の鼻汁からは、ヒト呼吸器系ウイルスが74件、インフルエンザなどのエンベロープウイルスが47件見られたのに対し、エキナセアを摂取した86人の鼻汁からは、ヒト呼吸器系ウイルスは54件、エンベロープウイルスは24件と、ここにも明かな数字の差が。特にインフルエンザなどのエンベロープウイルスに対する効果の高さが明かになりました。同時に、長期摂取による副作用が少ないことも実証されています。
インフルエンザ予防や花粉症対策に欧米で人気のハーブ「エキナセア」
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